両手いっぱいの花束をあなたに
つっくんは、決して無表情じゃない。
今もほら……。
「生徒会室に、お菓子がある。糖分は……」
こうして、私が泣いているのを心配してくれている。
手を引いてくれるつっくんに、私は小さく笑みを溢した。
「ありがとう、つっくん」
「………なんの事だ。兄が、妹の世話をするのは、当然だろ」
その設定、まだ続いてたんだ。
ふふっ、でも……美緒もつっくんも、私にとっては、大切なおねぇちゃんとお兄ちゃんだ。
「うん、でも……ありがとう」
「……別に、大した事では……!!」
すると、前を歩いていたつっくんが急に立ち止まった。
私はというと、そのせいで「ぶっ!!」と鼻先をつっくんの背中にぶつける。