両手いっぱいの花束をあなたに


「つっくん、どうし……」

「花音」


そう言って、つっくんはクルッと私を振り返る。

そして、あろうことか、私を抱き締めた。


「んー!?」


つっくんに頭を押さえつけられ、自然と顔がつっくんの胸に押し付けられる。


い、息が出来ないぃっ!!

つっくん、どうしちゃったの!?


「暴れるな、花音」


ジタバタと動く私を、つっくんが押さえ込むように抱き締める。


「んー、んーっ!!」

「大丈夫だ、悩んでいるなら、俺も協力する」


協力……?

私、つっくんに何も話してないけど、協力するって、どういう……。


「花音っ!!……と、生徒会長……?」

「っ!!」


この声っ……颯だ!!

颯、私の事、追いかけてきてくれたんだっ…。

嬉しい、なのに……なんでかな、苦しい。


私は、暴れるのを止めて、つっくんの胸にしがみつく。





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