両手いっぱいの花束をあなたに


「これは、颯くんが前へと進む為に必要な事だ。その覚悟を見届けて、ちゃんと答えてやるのが良い」


「つっくん………」


まっすぐに私を見つめる颯に、視線を向ける。

本当だ……前よりずっと、颯は強い光を瞳に宿してる。



「うん、必ず……見届けるって約束する」


だから、私もまっすぐに颯を見つめて、そう答えた。

すると、颯はホッとしたのか、肩の力を抜く。



「花音……泣かせてごめんな。それと、やっぱり他の男に触られるのは、妬けるんだけど……」


颯は、私とつっんを交互に見つめる。

あっ、私……つっくんに抱き締められたまんまだった!!



「ご、ごめんっ……」


私は慌てて、つっくんから離れた。

すると、つっくんは「クスッ」と小さく笑う。


それで確信した。

つっくん、私と颯を仲直りさせる為に、わざとこんな事を…。






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