両手いっぱいの花束をあなたに
11.カーネーション



ーインターハイ当日。

8月の暑いこの日に、ついに颯との約束の日がやってきた。


私は、美緒とつっくんと一緒に、また大会を見にきている。

手に握りしめたスマホの画面を見つめる。



颯:《インターハイ見にきて》

  《必ず、証明してみせっから!!》


昨日の夜届いたLIME。

私は、《約束する》と、それだけ返事を返した。


「頑張って」とか、「必ず勝って」とか……余計な言葉は、今はいらないんだと思う。


私は、見届けなきゃいけない。

颯が、颯自身の力で私に証明しようとしてるモノを。



「颯の事、見てるからね……」


心の中では、颯を全力で応援してるから。

だからね、なによりバスケを楽しんで。

あの楽しそうな、イキイキとした颯を私に見せてね。








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