両手いっぱいの花束をあなたに
「颯くん達、出てきたぞ」
同じく隣に座るつっくんに言われて、私はコートにいる颯を見つめる。
赤い、7番ゼッケン。
エースとして、仲間に信頼されてる颯は、なんだか誇らしそうに笑みを浮かべて、相手を見据えていた。
そして、ジャンプボール。
もちろん、颯がセンターラインを前に立つ。
そして、ボールは主審によって、宙へと投げられた。
「「ーーーっ!!」」
颯と、相手チームのジャンパーが、ボールへと手を伸ばす。
でも、圧倒的な速さで、颯の手が先にボールに触れた。
そして、バンッと、滝川くんめがけてパスされる。
「ナイス、颯!!」
「っス!!」
滝川くんはそう言って、ドリブルで相手チームのゴールへとボールを運ぶ。
「陸!!」
「任せろっ!!」
滝川くんからパスされたボールを、篠田くんが受け取り、すぐにシュートの体制に入る。