両手いっぱいの花束をあなたに
私は、祈るように両手を握りしめる。
『花音絶対見に来いよな、俺も絶対決勝まで残ってやるからよ!』
そんな、黒崎くんの言葉を思い出した。
幸い、颯と黒崎くんのブロックは違うから、決勝にさえ残れば、戦う事が出来る。
「颯っ……」
どうか、颯の進む道が、決勝へと続いてますように…。
そう、強く祈らずにはいられなかった。
「はぁっ、はぁっ!!」
颯は、軽やかなステップを踏むように、相手をすり抜けて、ゴールへとジャンプする。
「あっこれ………」
颯の、ダンクだ!!
ーダァァンッ!!
ボールを、ゴールへと力強く叩き込む。