両手いっぱいの花束をあなたに


「っ!!そこから、見とけよ!!」


私のピースサインに気づいた颯は、強気にそう言った。


それに、私は笑顔で強く頷く。


見てるよ、颯だけを、ずっと……。


だからね、全力で楽しんで、仲間を信じて。


颯は、一人じゃないんだからね!!


そう、心の中で声をかけて、颯を見守った。



颯はそれからというもの、どんどんとスピードが上がって、シュート数も、多くなった。



そして、颯達はついに決勝戦までたどり着く。

午後の部、もちろん残った相手チームは……。


「よぉ、颯。ずっと、ここだけを目指して来てやったわ!!」


「勘違いすんなよ、雷牙。俺は、お前も倒して、大事な事を伝えなきゃなんねぇーやつがいんだよ」



不適に笑う、黒崎くんと颯。

お互いが、この時をずっと待っていたのが、私にもわかった。









< 331 / 351 >

この作品をシェア

pagetop