両手いっぱいの花束をあなたに
「っ!!そこから、見とけよ!!」
私のピースサインに気づいた颯は、強気にそう言った。
それに、私は笑顔で強く頷く。
見てるよ、颯だけを、ずっと……。
だからね、全力で楽しんで、仲間を信じて。
颯は、一人じゃないんだからね!!
そう、心の中で声をかけて、颯を見守った。
颯はそれからというもの、どんどんとスピードが上がって、シュート数も、多くなった。
そして、颯達はついに決勝戦までたどり着く。
午後の部、もちろん残った相手チームは……。
「よぉ、颯。ずっと、ここだけを目指して来てやったわ!!」
「勘違いすんなよ、雷牙。俺は、お前も倒して、大事な事を伝えなきゃなんねぇーやつがいんだよ」
不適に笑う、黒崎くんと颯。
お互いが、この時をずっと待っていたのが、私にもわかった。