両手いっぱいの花束をあなたに



2人が、ジャンプボールの為に、センターラインに並ぶ。

前は、ここで颯が黒崎くんにボールをとられたけど…。


ービィィィーーッ!!


そして、主審によって、ボールが上げられる。


空へと、どんどん吸い込まれていくボールに、2人が強く地面を蹴った。



「「ウラァァァァーーッ!!」」


伸ばされた2つの手。

まるで、届かない月を、星を……掴むように、手を伸ばす。



「颯っ……」


怖くて、目を逸らしたいのに、離せない。


その白熱さに、目を奪われてしまった。


そして、ほぼ同時にボールに手が触れたように見えた。


ーバンッ!!


「っし!!」


それを、颯が力で押しきって、ボールを滝川くんへと運んだ。




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