両手いっぱいの花束をあなたに



「お前等にこれはやれねーよ!颯がジャンプボールで取ったボールだからな」


そう言って、横からすごい勢いでボールを奪い取り、すぐにジャンプの体勢に入る。


きたっ、篠田くんのシュートだ!!

どんなとこからも、体勢からも必ず決まるシュート!!



「これなら……っ」


私も安堵したその時、篠田くんの目の前に黒い影が現れる。

それは……。


「止めてやんぞーーっ!!」


「っ!!」
  

篠田くんがまさにシュートしようと投げられたボールに、黒崎くんの手が触れ、わずかに軌道がズレる。


ーカンッ!!

ボールは、ゴールの縁にぶつかり、跳ね返ってしまう。


「くそっ……」


篠田くんが唇を噛んだその時……。

ゴール付近で、誰かがジャンプしたのが分かる。











< 334 / 351 >

この作品をシェア

pagetop