両手いっぱいの花束をあなたに
「颯!!」
「っし!!」
颯は、溢れたボールを拾い、空中でゴールにシュートした。
それに、颯のチームから「「オォーーッ」」と、歓声が上がる。
試合開始から、初めて入った得点だった。
「すげぇーな、1点めでさえ、こんなにかかるなんてよ」
「本当だよな、全然先が読めねぇ!」
見学している、すでに試合を終えた選手達も、この決勝戦を見学している。
「すごいな、どちらも互角に見える」
「そうね、ただ……チームで強いのはうちの高校ね。ボールを取られても、皆が皆を信じてる」
感心するつっくんと、分析する美緒。
美緒ほどバスケはまだまだ詳しくないけど、それは、私にも分かった。
とられたボールを、全力で取りに行く黒崎くんに対して、颯達のチームは、それぞれが任されたポジションで、出来ることをしてる。
そして、信頼してるから、無駄な動きがない。