両手いっぱいの花束をあなたに
「っらぁ!!」
黒崎くんが、シュートを決めて、着地する。
さすがに、お互いの疲労度もMAXになってきてるみたい。
第4クォーターが終了しても、得点が同じだったために、ついに延長戦になった。
「持久戦になってきたわね」
「うん……っ」
勝って、颯っ…。
私は、ここにいるよ。
颯、颯っ!!
ふと、颯が顔を上げた。
そして、乱れる呼吸の中、私を見つけると、二ッと笑う。
「颯………そっか」
颯は、なんにも諦めてないし、まだまだ全力で戦うつもりなんだ。
なら、私に出来る事は、1つしかない。
「颯ーーっ!!」
私は、笑顔で颯にピースサインを贈った。
すると、颯は一瞬驚きに目を見開くと、ゆっくりと口角を上げて、不敵に笑う。