両手いっぱいの花束をあなたに
「ぜってぇー、負けねぇ!」
そして、ピースサインを返してくれた。
ーねぇ、颯。
私たち、ここまで来るのに、色々あったよね。
突然のプロポーズで、私と颯は付き合う事になって、それで、心が近づいて…。
恋が、愛に変わった。
たとえ、離れていても、相手の存在が大きいの。
「言葉が無くても、繋がってる……」
私は、両手を握りしめて、颯を見つめる。
タイムが迫り、ボールを持っている颯が、シュートしようと構えた。
それに、黒崎くんがブロックしにかかる。
まるで、あの時の再現を見ているような、感覚。
得点は、同点。
そして、颯が決めれば、勝利は私たちの高校だ。