両手いっぱいの花束をあなたに
「颯くん、でも自転車……」
「その、先輩とデートに……行きたい…というか」
照れ臭そうに後頭部を掻く颯くん。
照れてる時に頭に触るの、もしかしたら颯くんの癖かも。
今日は1つ、颯くんの事知ったなぁ。
「デ、デート!?ちょっと花音、どういう事!?」
ガシッと肩を捕まれグワン、グワンと揺すられる。
ちょっと気持ち悪くなりながら、私は説明する事にした。
「昨日から付き合う事にな…」
「昨日まで、全然知らなかったじゃないの!!」
あれ……?
美緒、どうして私が颯くんの事知らなかったって知ってるの?
もしかして、エスパーか。
美緒はエスパーだったのか。
「おおっ!」
「私はエスパーでも何でも無いわよ?」
「おおっー!」
すごい、私の考えてる事、わかってる!
やっぱり美緒はエスパーだね。
美緒に尊敬の眼差しを向けていると、美緒は盛大なため息をついた。