両手いっぱいの花束をあなたに


なんて、偉そうな事を言うけど、黒崎くんや、篠田くん、滝川くん、柿原さん、そして美緒やつっくん…。


みんなが教えてくれた。

私は、みんなから託された想いを届けただけ。



「俺は、あの時負けた時から、毎日が太陽の昇らない夜の中に、取り残されたような気持ちだった」


「颯……」


それって、どんなに不安だっただろう。

どんなに孤独だったんだろう……。



「でもさ、花音が俺の手を引いてくれて、夜空にパッて光が差したみたいに、気づいたら俺は明るい場所にいた」



颯は、愛しげに右手で私の輪郭を指でなぞった。

それが、たまらなく嬉しくて、私は微笑む。


「後にも先にも……俺には、花音しかいねぇ」


「っ……私も、離れてたって颯の事ばっか考えてた」


颯の為には、バスケに集中できるよう、私の事は忘れてもらった方がいいって…何度も考えて、結局出来なかったくらいに。









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