両手いっぱいの花束をあなたに



「私は、颯が強くても、弱くたってどっちでもいい。どんな颯も、私の好きになった颯だからっ」


「っ……すげぇ、殺し文句」


颯は、手のひらで自分の口を押さえる。

颯の、照れてる時の仕草だった。



「もう、颯がいない生き方なんて知らない。何してても、颯ならなんて言うかな、とか、どんな顔するかなって、考えちゃうんだから」



「そんなん、俺もだし。つか、花音のいない人生を歩いてく気はさらさらねぇ!」


「えっ……?」


言葉の意味を、私は頭の中で考える。

私のいない人生を歩いてく気はないって、それって…。


「花音」


ーパサッ


そして差し出されたモノに、私は目を見開く。

そして、驚きはすぐに喜びへと変わって、流れる涙。







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