両手いっぱいの花束をあなたに
「俺達、お互いよく知らないまま始まったけどさ、七色の恋……色んな気持ち、知ったよな」
颯も、同じように思ってくれてたんだ……。
「この恋が、俺の最後の恋だ。俺は、何度も花音だけを好きになるし、ずっとこの想いは消えないからな」
「………ふふっ、私達は、これから先もずっと恋し続けるんだよ、きっと」
だって、今もこうして……。
颯の笑顔に、声に、仕草に、言葉に…恋してる。
「好きだ、花音……。俺と、結婚しような」
愛を囁きながら、颯の指が、私の顎を静かに持ち上げる。
胸に抱えたポピーの花束が、フワリと揺れて感じる、キスの予感。
「っ………」
重なる唇に、また恋をする。
好きが溢れて、愛しさに胸が満たされていく。
このキスの終わりに、颯に伝えよう。
『私も、颯が大好きだよ』、『私と結婚してください』って……。
あの日、あのプロポーズより近づいた私たちの心。
今は、2人のこれからを、未来を想像できる。
きっと変わらないこの想いと永遠の恋を、私は忘れない。
end.