両手いっぱいの花束をあなたに


「ねぇ、松島くん本当に花音と付き合ってるの?この子、天然だし、ボーッとしてるから、夢みてたんじゃ…」


あれ、美緒?

それって、私の悪口なのでは??

でも、美緒の顔は明らかに私を心配している。

『バカな夢を見たにちがいない』という心の声が聞こえてくる。


「いえ、俺からプロポーズしました」

「プロポーズ!?」


颯くんの言葉に、美緒は目玉を落としそうなくらいに目を見開いた。


「うっ……はい、自分でも分かってるっす。ちょっと、飛ばしすぎたっつーか……」

「あ、頭痛くなってきた……」


あげく、美緒は頭を抱えてしゃがみ込んだ。

あー……これは、美緒の追求が長くなりそうな予感。




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