両手いっぱいの花束をあなたに
一緒に帰る事になって歩き出すと、自然と颯くんは道路側に立ってくれた。
そんな心遣いに感動してしまう。
颯くん、本当に優しいな……そのさりげなさも良い。
「颯くんって、バスケ部だったんだね?」
美緒がさっきエースって言ってたけど、今日は部活休みなのかな?
まだ16時前だし、部活は始まったばっかりだろう。
「あぁ、中学の時からやってたから、高校でも続けてます。今日は、顧問の都合で無くなったっすよ」
そうだったんだ……。
ずっと続けてて、しかもエースなんて…。
きっとすごく上手いんだろうな、ルールとか分からないけど、ちょっと、見てみたい。
「今度、見に行ってもいい?」
「えっ、部活っすか!?」
「うん、ダメ?」
ダメって言われたらちょっとへこむな……。
って、あ!
これって、もしかしてさっき私が颯くんの誘いを断った時に、颯くんも感じた気持ちなのかな。