両手いっぱいの花束をあなたに


「ダメ……なわないっす!!俺、ぜってぇーシュート決めますから!!」


「あ……ふふっ!」


あまりにも張り切る颯くんに、私は笑ってしまう。

だって、すごく嬉しいって気持ちが伝わってきて、私まで嬉しくなっちゃったから。


「先輩、なんで笑ってるんすか!」

「ううん、嬉しくて。私の為に、シュート、決めてくれるんだよね?」

「も、もちろんっす!」


あぁ、楽しい。

颯くんと話していると、ずっと笑っていられそう。

私が笑っていると、颯くんはそんな私を、優しい笑みで見つめてきた。


「先輩、やっぱ笑顔最高っすね」

「えっ…」

「なんか、癒されるっす」


はにかむように笑う颯に、私はなんだかドギマギしてしまう。

急に、歩き方を忘れたように、手と足が同時に出てしまう。

まるでロボットみたいな歩き方に、颯くんは慌て出す。







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