両手いっぱいの花束をあなたに
「ふわぁっ……」
それにしても、あくびが止まらない。
朝は、すごく苦手で、弱い。
復活するのは、学校についた頃くらいだろう。
暗めのブラウン色、ストレートボブをブラシでとかして、ひとつ頷く。
うん、ばっちり。
私はブラシを置いて、私は窓際の『セントポーリア』の花に近づく。
「おはよう」
その花に人差し指で優しく触れる。
セントポーリアは、一年中室内で育てられて、水やりも週に1回たっぷりあげれば育つ、とても育てやすい花。
青と紫色の中間色のような、幻想的な色が、また目の保要にもなってる。
そう……私は、花が大好き。
家が、花屋だから、というのもある。
両親は、花好きが功をなして、結婚した事もあって、2人で花屋を始めたらしい。
学校へ行っても、遊びに出掛けても、「あぁ、今日は綺麗な花が咲いてたな」「今度、名前を調べてみよう」とか、考えるのはいつも花の事。
だからか、注意散漫になる事が多くて、よくボーッとしすぎって、家族や友達から注意されるくらいだ。