両手いっぱいの花束をあなたに


ーチーン……。

その背中を呆然と見送る。

縁起でもない、そこに箸を刺すとか……恨まれてる。


「ひぃぃ~っ」


ブルブルと震える親父は、もろに殺意を感じたせいか、震えている。


これは、しばらくオヤジのご飯に箸が刺さってそうだな。


ー夫婦喧嘩も大概にしてくれよ。


俺も、つられてガタガタと震えながら、やっぱりお袋は怒らせたらマズイ、そう思った朝だった。





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