両手いっぱいの花束をあなたに
3.ポーチュラカ
次の日、登校して自分の教室へと足を踏み入れた。
その瞬間、バッと私に視線が集まった。
あれ、不思議。
どうして、みんな私を見つめてくるんだろう。
「美緒、私は注目されてる?」
試しに、隣の美緒の顔を見上げて、確認してみる。
「まぁ、当然ね」
美緒は理由が分かってるのか、苦笑いを浮かべながら私の手を引いて、席へと向かう。
カタンッ、席に座ると、前に座る美緒は私を振り返るように机とは反対に座った。
「花音、颯くんはね……」
美緒が何かを話そうと瞬間、むしろ『颯』という名前が出た瞬間にクラスの……特に女子が私を見た。