両手いっぱいの花束をあなたに
そう思って、すぐに思い当たった。
もしかして……。
颯が、この高校で、人気者だから。
もしかしたら、なんで私と!?っていう気持ちがみんなにはあるのかも…。
「ねぇ、どうなの野木さん!」
「うっ……」
こういう時って、どうしたらいいんだろう!
「そうじゃない」、「そうだよ」…どっちの回答をしても、なんだか責められそうで、怖い。
「別に、花音が誰と付き合ってても、良いじゃない」
すると、美緒がバッサリとこの変な空気を斬った。
「美緒……」
「でも、気になるじゃない!あの松島 颯くんの彼女かもしれないんだよ!」
「かも」、じゃなくて「そう」なんだよ!
なんだか、猛烈にそう抗議したくて、たまらなくなる。