両手いっぱいの花束をあなたに


そう思って、すぐに思い当たった。

もしかして……。

颯が、この高校で、人気者だから。


もしかしたら、なんで私と!?っていう気持ちがみんなにはあるのかも…。


「ねぇ、どうなの野木さん!」

「うっ……」


こういう時って、どうしたらいいんだろう!


「そうじゃない」、「そうだよ」…どっちの回答をしても、なんだか責められそうで、怖い。


「別に、花音が誰と付き合ってても、良いじゃない」


すると、美緒がバッサリとこの変な空気を斬った。


「美緒……」

「でも、気になるじゃない!あの松島 颯くんの彼女かもしれないんだよ!」


「かも」、じゃなくて「そう」なんだよ!

なんだか、猛烈にそう抗議したくて、たまらなくなる。





< 65 / 351 >

この作品をシェア

pagetop