両手いっぱいの花束をあなたに


「恋愛には、色んな形がある。始まり方だって、それぞれだろ」

「花音は恋愛経験無いし、付き合ってみて、一気に距離をつめていくほうが、良いのかも」


つっくんの言葉に、美緒が頷く。


「どうして?」

「好きって気持ちが、どういう気持ちか、分かる?」


美緒の言葉に、私は少し考えて頷く。

それくらいなら、私にだって分かる。


「……家族みたいに、大切だな、大事だなって思う事?」

「それは、家族だから」


美緒は呆れたように私を見つめる。

そんな事言われても……。

友達の好きとは違うって事は分かる。

そしたら、私の知ってる「好き」は、家族みたいに、唯一無二の存在への「好き」って気持ちしか知らない。



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