両手いっぱいの花束をあなたに


「焦るな、花音と颯くんのペースで進めば良い」

「つっくん……」

「花音がどんな答えを出しても、私達は傍にいるしね」

「美緒っ……」


私は、なんだかウルウルと来てしまって、目に涙が滲んでしまう。


「泣かないの、可愛い顔が台無しじゃない」


美緒が、ハンカチで私の涙を拭った。


思ったより、悩んでたみたい。

だけど、2人に相談して良かった。


「少し、スッキリした顔してる」


つっくんの言葉に、頷く。


相談してるうちに、私も自分がどうしたいのか、心の整理ができてきたみたい。


「ありがとう、美緒、つっくん!」 


私は、2人に笑顔を向けて、お弁当をしまう。

そして、ガタリと立ち上がった。


「そうと決めたら、今日も中庭行ってくる!」


元気にそう言い放つ私を、2人は笑顔で見上げた。


「どんな時でも、花の事は忘れないよね、花音は」

「それで、元気になるなら、良いだろ」


優しい2人の眼差しに見送られながら、私は今日も、ポーチュラカに水をあげに、中庭へと向かった。



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