両手いっぱいの花束をあなたに
「こんにちわ、会いに来たよー」
いつものように、『ポーチュラカ』の生える土へと触れる。
乾燥してるから、水をあげる事にした。
白,赤,ピンク,オレンジ,黄,紫……色鮮やかなポーチュラカを眺めながら、サァァァッと、ジョウロから水をまく。
ポーチュラカ、今日も気持ち良さそう。
「♪~♪~」
鼻歌を歌っていると、また視線を感じた。
そういえば、前にもこんな事があったな。
やっぱり、気のせいなんかじゃない?
「♪~♪~」
私は、鼻歌を続けながら、勢いよく振り返った。
「あっ!!」
すると、開け放たれている窓から、私を見つめる颯とバッチリ目が合う。
颯は、目が合った瞬間、声を上げてしゃがんだのか、窓から姿を消す。