両手いっぱいの花束をあなたに


「こんにちわ、会いに来たよー」


いつものように、『ポーチュラカ』の生える土へと触れる。

乾燥してるから、水をあげる事にした。


白,赤,ピンク,オレンジ,黄,紫……色鮮やかなポーチュラカを眺めながら、サァァァッと、ジョウロから水をまく。


ポーチュラカ、今日も気持ち良さそう。


「♪~♪~」


鼻歌を歌っていると、また視線を感じた。

そういえば、前にもこんな事があったな。

やっぱり、気のせいなんかじゃない?


「♪~♪~」


私は、鼻歌を続けながら、勢いよく振り返った。


「あっ!!」


すると、開け放たれている窓から、私を見つめる颯とバッチリ目が合う。

颯は、目が合った瞬間、声を上げてしゃがんだのか、窓から姿を消す。




< 73 / 351 >

この作品をシェア

pagetop