両手いっぱいの花束をあなたに
「は、颯!?」
私はジョウロを置いて、慌てて窓へと駆け寄る。
窓から廊下をのぞきこむと、颯はやっぱり、窓の下にしゃがんでいた。
「な、何してるの?」
「じょ、条件反射でつい……す、すんません…」
条件反射??
え、私って怖いとか、目も合わせたくないとかっ!?
「あの、とりあえずそっち行っていいっすか?」
「う、うん!」
私は、窓から少し離れる。
すると、颯は窓の縁に足をかけて、あろう事か、上履きのまま、外へ出てきた。
「す、すごい運動神経だね」
窓、私の胸の高さまであるのに……。
颯は軽々とそれを飛び越えて、私の隣に降り立った。