両手いっぱいの花束をあなたに


「うん、じゃあ…ここ、座ろ?」


私は、窓のすぐ下の壁に寄りかかって、コンクリートの上に腰を下ろす。


すると、颯もその隣に腰を降ろした。


「颯、どうして隠れたの?」   


腰を降ろした颯を見て、私は疑問だった事を聞いてみる。

すると、颯は「うっ」とうめいた。

 
「隠れて見てるとか、キモイかと思って……」


隠れて見てるって……。

あれ、じゃあ今まで感じてた視線って、もしかして…。


「花音先輩が、楽しそうに水やりしてるの、ここから見るのが日課だったから…つい」


何が「つい」なのかは分からないけど、私がいつもここで水やりをしてたの知ってたし、どうやら犯人は颯だったらしい。







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