両手いっぱいの花束をあなたに
「花音先輩が、すげー優しい顔で笑ってんの、俺、すげぇ癒されてて……って、俺ストーカーみてぇ、ごめん、花音先輩!」
颯は赤い顔やら、青い顔で私を見つめる。
表情が色々変わって、なんだか……。
「すごく、可愛い人だよね、颯は」
「は、はぁ!?」
私の一言に、颯は驚きの声を上げる。
あれ、男子に可愛いって、おかしかった??
でも、真っ直ぐって言うか、素直っていうか…そんな所が、すごく愛しく思えた。
「と、年下扱い…とか、やめて下さいよ。俺、後輩だけど、花音先輩の彼氏……彼氏、なんだし!」
「っ!!」
ボンッと顔が赤くなるのが分かった。
噛み締めるように「彼氏」と2回言った颯から、目が逸らせなくなる。
「花音、先輩……?」
そんな私の赤い顔を見た颯が、目を見開いて驚いていた。