両手いっぱいの花束をあなたに


「颯、私……今、どんな顔してる?」


どうしよう、今鏡見たら、発狂するかもしれない。

もしかして、もしかしなくても、私っ…。

「彼氏」って言葉に、猛烈に照れてる。


「どんなって……すげー、赤い顔…」

「っ!!」


そう言われると、どんどん恥ずかしくなってきて、私は両手で顔を覆った。


「花音先輩……っ、俺、花音先輩の顔、見たい…」

「えっ…それは嫌っ……わぁっ!」


すると、両手首を掴まれて、顔から外される。

もろに、颯と目が合ってしまった。


こんな赤い顔、恥ずかしくて見られたくないよ!!  

心の中で悲鳴を上げながら、私は泣きそうになった。





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