両手いっぱいの花束をあなたに
4.シクラメン
ー放課後。
私は颯との約束通り、バスケ部のいる体育館へと来ていた。
すると、ダンッ、ダンッとボールが体育館の床をバウンドする音が聞こえる。
「み、美緒………」
私は、ガタガタと震える足で、体育館前に立ち尽くす。
私は、1人で来るには、少し勇気が必要だったので、美緒についてきてもらった。
「緊張しすぎよ、花音。仮にも彼氏なんだし、会いに来たとか、可愛い彼女でしょ!」
「仮じゃないし!可愛くもないし………」
そう言って、どんどん自信が無くなる。
颯が来ても良いって言ってくれたのは分かってる。
だけど、やっぱり緊張するものはするよ………。