両手いっぱいの花束をあなたに
「ついに、応援したわね、花音」
ニヤニヤする美緒に、私は恥ずかしくなる。
だって、無意識に叫んでたんだもん…。
「ううっ……」
「可愛いなぁ、花音は」
そう言って、美緒に頭をナデナデされる。
少しむくれながらも、私は内心すごく驚いていた。
私、いつのまにか、颯に目を奪われてた。
すごく、すごくカッコ良かったなぁ…。
まだ、あの試合の余韻から、抜け出せずにいた。
「か、花音先輩っ!!」
すると、キョロキョロしていた颯と目が合う。
その瞬間、一目散にこちらに駆け寄ってきた。