両手いっぱいの花束をあなたに
「なんだー、颯のコレか?」
今度は、サラサラな黒髪の男子が、小指を立てながら、こちらへと歩いてくる。
青いゼッケンを着ているところを見ると、相手チームだった人みたいだ。
「おぉー、真南斗。そうらしいぜ、ほら、プロポーズしちまったって、やつ!」
「へぇー、噂の彼女ね」
すると、真南斗と呼ばれた男子と目が合った。
あ、この人も3年生だ。
名前は、同じクラスになった事ないからわからないけど、何度か見かけた。