両手いっぱいの花束をあなたに
「野木さんに告白する時も、いきなりプロポーズしてただろ?お前、ズレてるっての」
「真南斗先輩、俺、またやらかしてます?」
颯は、苦笑いを浮かべながら、滝川くんを見上げた。
「おお、盛大にな」
「す、すんません、花音先輩……」
ズーンという効果音が聞こえてきそうなほど落ち込む颯に、私は小さく笑う。
「私は、それくらい誠実に向き合ってくれてるんだって、嬉しいんだけどな…」
だって、プロポーズって、結婚を意識していて、それだけ真剣に付き合おうとしてくれてるって事だし。
私は、嬉しい。
「そ、それなら……良いけど。でも俺、そんくらい、花音先輩に惚れてるからっ、止められねーや」
颯は、照れ臭そうに、そして嬉しそうにはにかんだ。