両手いっぱいの花束をあなたに
「小さくて、ふわふわしてて、可愛い」
「なっ、颯……あんまり、恥ずかしい事言わないで」
誉められなれてないから、対応に困る。
すると、颯も自分の言った発言に照れたのか、顔が赤くなった。
「わ、悪い。じゃ、じゃあ始めるか!」
そう言って、颯は慌てたように私の背後に立つ。
後ろから、私の両手を掴んで、ボールを持ったまま、少し上に持ち上げた。
「投げる時は、手首だけじゃなくて、肘の力も使うと、シュートが決まりやすい」
「う、うんっ…」
わぁ、なんか後ろから抱き締められてるみたい。
颯の、声…低くて、耳元で響いてジンジンする。
ダメだ、全然集中出来ないよ!