両手いっぱいの花束をあなたに
「でもよー、野木って、結構隠れファン多いぞ?でも、生徒会長が目光らせてたからな、誰も近づけなかったけど」
「え、つっくん??」
篠田くんの言葉に、私は首を傾げる。
隠れファンは、たぶん気のせいだと思うけど、つっくんはクールなだけで、別に目を光らせてたわけじゃないと思うけど。
「つっくんは、あぁ見えて、花音大好きだからね。私と同じで、大事に守ってるのよ」
「そうだったんだ……」
「まぁ、とうの本人は、この通り天然だから、お兄さんとお姉さんとしては、心配なわけ」
天然……。
私って、天然だったんだー、初耳。
「っ……花音先輩」
ーギュッ
すると、颯が私を後ろから抱き締めて、スッポリと、私を腕の中に閉じ込めた。