徒然飛花前線
4月10日のできごと





散り始めた桜とか
新しく 蒼く色を滲ませる木葉とか

教室の隅の窓から見上げる
淡くて四角い晴空模様とか

ぱりっと硬そうな真新しい制服
慣れはじめた制服はスカートがテカってきていたり


浮足だつ空気とか
新しいにおいとか




────春、




理由もなく胸がはずんで頬がゆるむそんな季節に。



いいでしょ、待ってみたって。



体育館と校舎をつなぐ渡り廊下の壁。


そこに背をつけ体重をあずけて、廊下から1歩でると広がる中庭に座り込んで。


桜だらけのそこを1度見渡して、ぽかぽかの陽気を見上げて、ふんわり意識の中。



渡り廊下からきっとでてくる、その人を。





< 1 / 14 >

この作品をシェア

pagetop