徒然飛花前線
4月10日のできごと
散り始めた桜とか
新しく 蒼く色を滲ませる木葉とか
教室の隅の窓から見上げる
淡くて四角い晴空模様とか
ぱりっと硬そうな真新しい制服
慣れはじめた制服はスカートがテカってきていたり
浮足だつ空気とか
新しいにおいとか
────春、
理由もなく胸がはずんで頬がゆるむそんな季節に。
いいでしょ、待ってみたって。
体育館と校舎をつなぐ渡り廊下の壁。
そこに背をつけ体重をあずけて、廊下から1歩でると広がる中庭に座り込んで。
桜だらけのそこを1度見渡して、ぽかぽかの陽気を見上げて、ふんわり意識の中。
渡り廊下からきっとでてくる、その人を。
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