リリー・ソング
あとがき
最後まで読んで下さる方が果たしているのでしょうか…
ここまで辿り着いて下さったそこのあなた、本当にありがとうございます。
息詰まるようなプラトニックなラブストーリーを書きたいと思ったのですが、書いてる本人が早々に息詰まりすぎて耐えきれず、朝比奈紺を投入しました。おかげで短編の予定が狂って半端に長くなってしまいましたが、助かった……はあー
歪んだ愛や行き過ぎた愛は端から見ると美しく感じるかもしれませんが、本人たちはきっと苦しい。
だけどどんなふうに人を愛してしまったとしても、あるいは愛されたとしても、自分でどうするか選ばなくちゃいけませんよね。
リリーが本当に深夜を愛しているのかということは、私にとっても謎のまま終わりました。何の宿命もなければすんなり紺とくっついたでしょうけど、でもそれを選ぶ女の子は、既にリリーではない別の誰かでしょう。
どんな状況でも正義に成り得て、人生を切り拓く武器となる強烈な才能というものは、たぶん多くの人の憧れであるかと思います。
そんな才能を持つ人たちの物語を考えるのは楽しくもあり、自分で書いているのに妬ましくもありました。
一片の曇りもなく幸せな人というのはなかなか居ないと思います。それでもリリーと一緒に夜明けを感じてくれた人が居たら、嬉しいです。
それでは、また。
2016.11.13
南りおん