ばくだん凛ちゃん
食事を終えると凛の目の前にはハルの手作りケーキが置かれ、準備万端。

「お誕生日、おめでとう」

凛は意味もわからず、キャーっという声を上げて笑う。
ハルもそれを見てニコニコ笑う。

こういう瞬間が本当に幸せだと思う。

「ハルもお母さん1年、おめでとう。色々あったと思うけれど、お疲れ様。
これからも一緒に頑張っていこう」

僕は微笑んでハルの頬にキスをする。

「わわわ!透」

ハルは凛をじっと見つめている。
凛はそんな事お構いなしにケーキを見つめてニヤニヤしていた。

「大丈夫、凛もお父さんとお母さんが仲が良い方がいいって思うから」

もう一度、ハルにキスをする。

「うきゃー!!」

その瞬間、凛の叫び声とともに宙に生クリームが飛ぶ。

皿に取り分けた僕のケーキを凛が引っ張って半分投げていた…。

「「うわあ!!」」

僕とハルの声が重なる。

「きゃーきゃー!!!!!」

凛、喜び過ぎたよ…。
確信犯だな?

「り~ん~!!」

僕は立ち上がって凛を抱っこした。
そして高く抱き上げる。

「本当に悪戯っ子だなあ」

「きゃあ!!」

その笑顔、最高だよ、凛。

ハルも汚れた部分を拭きながら僕と凛を見つめて微笑んでいる。

「凛、生まれてきてくれてありがとう」

僕はそのまま凛を抱きしめる。

僕とハルの間に生まれてきてくれてありがとう。
僕達は凛がいてくれるだけで幸せだよ。

「うぎゃー!!」

「うわ!!痛いー!!」

凛のテンションはさらに高くなり、僕の髪の毛を引っ張る。

「あはははは!!」

その様子を見てハルはお腹を抱えて笑った。

…全く、爆弾だよ、凛は。



でも、幸せだよ。
この幸せがずっと、ずっと先まで続きますように。
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