ばくだん凛ちゃん
家に入るとまた凛が笑っていた。
私も自然にそれを見て笑っていてハッとする。
凛が笑顔を見せてくれるようになって少しだけ、心に抱えていた重りが減ったような気がした。
私、子供の前では全然笑えていないし、言葉を話しかけるにしても何を話して良いのかわからないから無言が多いから母親失格か、と思う事も。
「凛~、今日はお昼何してたの?
お母さんとお散歩行ってきた?」
私の心の重さなど、何一つ感じていないような人がここにいるけれど。
本当に羨ましい。
普通に笑顔で凛の相手が出来るし、いろんな言葉を投げかけている。
私には到底出来そうもない。
おかしいなあ、ナツが小さい時はこんな感じじゃなかったのに。
「何考えているの?」
透の人差し指が私の額を突いた。
凛を見つめながらしかめっ面をしていたらしい。
「色々」
透は怪訝そうな顔をして私を見つめる。
「さっきの事?
僕がきつく言い過ぎたなら、ごめん」
いや、そうじゃなくて。
自分の顔が赤くなるのを感じる。
「大丈夫?体調悪いの?熱?」
お願い、透!
それ以上、私の顔を覗き込まないで!!
「う~」
タオルケットの上にいる凛がこちらを見て声を上げている。
しかも最高の笑顔を見せて。
「凛~!!」
思わず私は抱きしめた。
凛の、このプニプニした体が何とも言えない。
「ハル」
透が私を見て微笑む。
「本当に幸せそうな顔をしているよ、今」
えっ、そうなの?
「もっと、自信を持っていいと思うよ、お母さん」
「…その自信がわからない」
凛を元の場所へ戻し、困惑した表情の私を見て透はまた微笑む。
「きっとハルの事だから、自分は僕みたいに凛に笑ったりできないとか思ってるんでしょ?」
図星。
というか、何で色々考えている事がわかるわけ?
第六感でも働いているの?
「僕、毎日そんなお母さん達の相手をしているんだよ。
相手がどんな事を考えているのかくらい、大体わかるし。
特にハルは」
「何で私は特に、なの?」
透はクスクス笑うだけで言わない。
「もう、人が気になるような言い方をしないでよ!」
一回、殴ってやるっ!!
私は立ち上がり、透の背中めがけて平手打ちを食らわそうとしたけれど、それもやんわりと透に阻止された。
私の腕を掴んだ透はそのまま私を自分の腕の中に引き入れ、抱きしめた。
「ごめん、ハル。
あまりにも必死で可愛いから意地悪をしたくなった」
ニコニコ微笑んでいる透。
お願いだから、鼻血吹きそうなセリフを言わないで。
再会してちょうど1年だけど。
もう、子供もいるのにいまだにそういうのに慣れないんだから、私。
また顔が赤くなるのがわかった。
透は私を抱きしめながらずっと微笑んでいる。
ああ、反撃する力もなくなってきちゃった。
そのまま私は透の胸に顔を埋めた。
私も自然にそれを見て笑っていてハッとする。
凛が笑顔を見せてくれるようになって少しだけ、心に抱えていた重りが減ったような気がした。
私、子供の前では全然笑えていないし、言葉を話しかけるにしても何を話して良いのかわからないから無言が多いから母親失格か、と思う事も。
「凛~、今日はお昼何してたの?
お母さんとお散歩行ってきた?」
私の心の重さなど、何一つ感じていないような人がここにいるけれど。
本当に羨ましい。
普通に笑顔で凛の相手が出来るし、いろんな言葉を投げかけている。
私には到底出来そうもない。
おかしいなあ、ナツが小さい時はこんな感じじゃなかったのに。
「何考えているの?」
透の人差し指が私の額を突いた。
凛を見つめながらしかめっ面をしていたらしい。
「色々」
透は怪訝そうな顔をして私を見つめる。
「さっきの事?
僕がきつく言い過ぎたなら、ごめん」
いや、そうじゃなくて。
自分の顔が赤くなるのを感じる。
「大丈夫?体調悪いの?熱?」
お願い、透!
それ以上、私の顔を覗き込まないで!!
「う~」
タオルケットの上にいる凛がこちらを見て声を上げている。
しかも最高の笑顔を見せて。
「凛~!!」
思わず私は抱きしめた。
凛の、このプニプニした体が何とも言えない。
「ハル」
透が私を見て微笑む。
「本当に幸せそうな顔をしているよ、今」
えっ、そうなの?
「もっと、自信を持っていいと思うよ、お母さん」
「…その自信がわからない」
凛を元の場所へ戻し、困惑した表情の私を見て透はまた微笑む。
「きっとハルの事だから、自分は僕みたいに凛に笑ったりできないとか思ってるんでしょ?」
図星。
というか、何で色々考えている事がわかるわけ?
第六感でも働いているの?
「僕、毎日そんなお母さん達の相手をしているんだよ。
相手がどんな事を考えているのかくらい、大体わかるし。
特にハルは」
「何で私は特に、なの?」
透はクスクス笑うだけで言わない。
「もう、人が気になるような言い方をしないでよ!」
一回、殴ってやるっ!!
私は立ち上がり、透の背中めがけて平手打ちを食らわそうとしたけれど、それもやんわりと透に阻止された。
私の腕を掴んだ透はそのまま私を自分の腕の中に引き入れ、抱きしめた。
「ごめん、ハル。
あまりにも必死で可愛いから意地悪をしたくなった」
ニコニコ微笑んでいる透。
お願いだから、鼻血吹きそうなセリフを言わないで。
再会してちょうど1年だけど。
もう、子供もいるのにいまだにそういうのに慣れないんだから、私。
また顔が赤くなるのがわかった。
透は私を抱きしめながらずっと微笑んでいる。
ああ、反撃する力もなくなってきちゃった。
そのまま私は透の胸に顔を埋めた。