ばくだん凛ちゃん
ハルは大きく溜め息をつく。
「…私が透を拒否すると思う?」
「えっ?」
まさかの言葉に僕はハルをマジマジと見つめる。
ハルは両手で顔を覆っているから表情まではわからない。
「好きなのに、拒否なんて出来るわけないでしょ?」
胸ぐらを鷲掴みにされたかのような衝撃。
「…ハル」
いや、好きとか嫌いとかの問題じゃないんだ。
言葉を発する前にハルが話始める。
「透が子供の事で焦っているのは私にもわかる。
お互い若くないからね。
妊娠のチャンスもあまり残されてはいない。
でも確実に体は衰えていて、凛のお世話も想像以上に大変だった」
ハルは両手を膝の上に乗せた。
その目には沢山の涙が溢れている。
「私達がもっと若い時に再会して結婚していれば、こんな風にお互い焦る事も傷付く事もなかったのに。
凛のお世話ももっと余裕があったのかも」
「うん。
だからごめん、僕がちゃんとハルに話をせずに事を進めたのが悪い」
「…もう謝らないで」
ハルは泣きながらも微笑む。
「今はまだ頭が混乱してどうしようもないけれど、きっともう少しすれば落ち着くと思うから。
…だから、私はお兄さんの言う通りに2週間くらいすればまた病院に行って来るから。
市役所にもついでに行って、母子手帳貰わないとね」
その瞬間、僕はハルを抱きしめていた。
「…痛い」
そんな抗議の言葉もお構いなしでハルを抱きしめる。
「ハル」
僕の腕の中でハルは上を向いてしっかりと僕を見つめた。
「あと、2ヶ月…
それくらい我慢してくれる?
僕、もう少し時間を作る事が出来るように何とかするから」
ハルは頭に『?』が浮かんでいるような顔をしている。
思わず笑いそうになるのを堪えてハルの唇にキスをした。
僕も勤務医としてはそろそろ潮時だな。
明日にでも相談するか、兄さんに。
「…私が透を拒否すると思う?」
「えっ?」
まさかの言葉に僕はハルをマジマジと見つめる。
ハルは両手で顔を覆っているから表情まではわからない。
「好きなのに、拒否なんて出来るわけないでしょ?」
胸ぐらを鷲掴みにされたかのような衝撃。
「…ハル」
いや、好きとか嫌いとかの問題じゃないんだ。
言葉を発する前にハルが話始める。
「透が子供の事で焦っているのは私にもわかる。
お互い若くないからね。
妊娠のチャンスもあまり残されてはいない。
でも確実に体は衰えていて、凛のお世話も想像以上に大変だった」
ハルは両手を膝の上に乗せた。
その目には沢山の涙が溢れている。
「私達がもっと若い時に再会して結婚していれば、こんな風にお互い焦る事も傷付く事もなかったのに。
凛のお世話ももっと余裕があったのかも」
「うん。
だからごめん、僕がちゃんとハルに話をせずに事を進めたのが悪い」
「…もう謝らないで」
ハルは泣きながらも微笑む。
「今はまだ頭が混乱してどうしようもないけれど、きっともう少しすれば落ち着くと思うから。
…だから、私はお兄さんの言う通りに2週間くらいすればまた病院に行って来るから。
市役所にもついでに行って、母子手帳貰わないとね」
その瞬間、僕はハルを抱きしめていた。
「…痛い」
そんな抗議の言葉もお構いなしでハルを抱きしめる。
「ハル」
僕の腕の中でハルは上を向いてしっかりと僕を見つめた。
「あと、2ヶ月…
それくらい我慢してくれる?
僕、もう少し時間を作る事が出来るように何とかするから」
ハルは頭に『?』が浮かんでいるような顔をしている。
思わず笑いそうになるのを堪えてハルの唇にキスをした。
僕も勤務医としてはそろそろ潮時だな。
明日にでも相談するか、兄さんに。