大人の初恋
 一旦家に戻り、着替えてきた大人っぽいランジェリー…

 焦らすように、細いキレイな長い指先で肌を撫でながら、それを剥ぎとってゆく。

 露な胸に唇を這わせ、突端を舌と片手でソフトに弄ぶ。
 私の反応を面白げに眺めながら、やがてその指は身体の内を掻き回し始めた。
 なんて……

「…やだ…いやらしい…」
「君がね」

 事も無げに彼は言うと、丁寧な愛撫で何度も私を絶頂に押し上げた。


 実際、“相性がいい”というのは、こういうことなのか、それとも彼が随分と手慣れてらっしゃるのかーー

 決して独りよがりでない、私を愉しませるのが目的のようなセックスを、私は初めて“楽しい”と思った。


 一緒にシャワーを浴びた後、素肌のままにシーツにくるまる。

「あんなコト、初めてされたわ」

 つい出た本音に“しまった”と思っていると、

「そう?…悪かったね」

 彼は悪びれずに微笑み、私を腕に引き寄せた。


「ね、もう1回…」
「仕方ないな」

 気だるい疲れに苦笑しながら、彼は私に乗り上げた。

 再び抱き合った私達は、やがて眠りに落ちるまで、何度も何度も睦み合った。
< 15 / 79 >

この作品をシェア

pagetop