大人の初恋
7 突き放されて
私はだんだんと、自分の気持ちを制御できなくなっていた。
ハッキリとそれを悟ったのは、これから起こるちょっとした事件がきっかけだった。
「う~ん、おっかしいなあ」
「あら?どうしたの、アキちゃん」
隣の机で、書類を見ながらアキちゃんが頭を抱えて唸っている。
「ねぇコレ、見てください。どうしても計算が合わないんですよねぇ」
「ああ」
彼女から書類を渡された私は、フムフムと顎に手を当てる。
彼女は今回、初めて1週間の大遠征、チームを組んでの支社の監査に同行する。
近頃めっきりやる気を出している彼女に、部長が『勉強しておいで』とゴーサインを出したのだ。
私もメンバーの一人で、彼女のバックアップを任されている。
こないだから彼女は、資料を何度もひっくり返しては、ずっと勉強していたから、それで何か見つけたのかも知れない。
「ホラね、ここ。昨年のとどうしても合わないんですよ」
「う~ん…そうねぇ」
支社の帳簿のコピーだった。
彼女の鉛筆書きの計算を見てみると確かに計算が合わないところがある。
不正がらみの可能性もあるけど、突き詰めるにはちょっと時間を要する。
チラッと時計を眺めると、10時の10分前だった。
いけない、次の会議が始まる。
ハッキリとそれを悟ったのは、これから起こるちょっとした事件がきっかけだった。
「う~ん、おっかしいなあ」
「あら?どうしたの、アキちゃん」
隣の机で、書類を見ながらアキちゃんが頭を抱えて唸っている。
「ねぇコレ、見てください。どうしても計算が合わないんですよねぇ」
「ああ」
彼女から書類を渡された私は、フムフムと顎に手を当てる。
彼女は今回、初めて1週間の大遠征、チームを組んでの支社の監査に同行する。
近頃めっきりやる気を出している彼女に、部長が『勉強しておいで』とゴーサインを出したのだ。
私もメンバーの一人で、彼女のバックアップを任されている。
こないだから彼女は、資料を何度もひっくり返しては、ずっと勉強していたから、それで何か見つけたのかも知れない。
「ホラね、ここ。昨年のとどうしても合わないんですよ」
「う~ん…そうねぇ」
支社の帳簿のコピーだった。
彼女の鉛筆書きの計算を見てみると確かに計算が合わないところがある。
不正がらみの可能性もあるけど、突き詰めるにはちょっと時間を要する。
チラッと時計を眺めると、10時の10分前だった。
いけない、次の会議が始まる。