南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
第1話
「瀬那〜?瀬那ってばぁ!」
森坂 佑麻。
高校に入学して3度目の春を迎えましたー!いやー、留年しなくて良かった!
数学のせいで危うかったよー。
あ、ちなみに”南くん”に恋をしてから3度目の春です。
今、私の隣には
「瀬那〜!見て!桜咲いてるよ!」
「まだ5分咲きだろ。」
どんなに追いかけても届くことはない、そう思ってた大好きで仕方ない”南くん”がいる。
「これから満開になるの楽しみ!あ、そうだ!ピクニックに行こう!桜見ながらお弁当食べよう!…ね?」
「……それ、何て言うか知ってる?」
「…え?だからピクニック…」
呆れたような声と眼差しに、私の言葉はどんどん小さくなって消えていく。
「……花見、だろ。」
「っ、た…確かに!」
あー!なるほどね!言われてみれば!…と、南くんのツッコミに全力で頷いた私には見向きもせず
「バカ。」
「うっ…」
スタスタと生徒玄関へ進んでいくのは、南 瀬那。
私の彼氏です。
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