南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「分かってる、大事にしろって言いたいんだろ。」
「さっすが、話が分かる男だね〜瀬那くん。そう言うことだよ。」
さっきまでの剣幕が嘘のようにペロッと舌を出して、すっかりいつも通りに戻ったらしい礼央は、
"佑麻ちゃんに何かあると、うちのハニーも機嫌悪くてさ"
と続けた。
なるほど、確かに片瀬は佑麻の事をすごい想ってるのが伝わってくる。
いつも傍にいて、話を聞いて、笑わせたり慰めたり励ましたり…。
佑麻も片瀬が好きで仕方ないって感じだし。
片瀬が男じゃなくて良かったな、俺。
「完璧、勝ち目なかった…」
「…あ?なんか言ったか?」
「……何でもねぇよ。」
俺なりの愛情表現じゃ…バカな佑麻には難しいかもしれないから、
これからは、なるべく。
言葉にして、態度に出して、
アイツが不安に思う要素を、取り除いてやりたいと思う。
いや、その前に不安にさせないように努力する必要があるのか。
…ってか、少しは自信持てよ。
俺はお前が思ってるよりずっと、お前に惚れてるって…何回言わせんだよ。バーカ。