南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「大丈夫だ瀬那、さり気なく泊まりに来ないか?って聞けばいいだけだろ?」
"簡単 簡単"なんて、兄貴は口角をあげて顔面からワクワク♪と効果音すら出ている。
言っとくけどな?
"泊まりに来ないか?"ってフレーズが、もう既にさり気なくねぇんだよ。
ガッツいてるようにしか聞こえねぇだろ。
ふざけんなよ。
「…無理。絶対無理。」
「お母さん、腕によりをかけて晩ご飯作るから!誘うだけ誘ってみなさい!ね?分かった?!」
「わ〜!佑麻さんと会えるって思ったら今日1日 頑張れそう〜!」
「俺も楽しみ増えたっ☆」
「父さん、帰りに駅でお菓子でも買ってこようか?」
………もう、ダメだ。
コイツら本気で、人の話を聞かなすぎる。
誘うしか、ねぇか〜。
「………話を聞けよ。」
あー、なんか変に緊張してきた。
つーか、佑麻 相手になんでこんな緊張してんだよ、俺。『泊まりに来ないか?』って、平然と…
やっぱ俺には難易度高すぎ。気が重い。
アイツ、どんな反応するんだろう。
フッ…きっと、思考回路ショートするだろうな。想像したら笑えたきた。