南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「……はぁ、」



唇が離れた瞬間、少しの寂しさが私を襲う。



でも、




「…ひゃっ!」



次の瞬間、私の首筋に顔を埋めた瀬那に再びドキドキが加速していく。



────ビリッ


首筋に電気が流れたみたいに……一瞬だけ痛みを感じたかと思えば、今度は同じ場所にキスが降ってくる。




「っ、瀬那…、待って…!」



「……もう、待たない。」



「まっ、んっ…!」



どうしてだろう、瀬那なのに。


今、私にキスを降らせてるのは大好きで…大好きで仕方ない瀬那なのに。


私、今すごく涙を我慢してる。


瀬那のキスは優しいし、大事にされてるのも伝わってくるし、何より…瀬那が私を求めてくれている


こんなに、こんなに嬉しいことはないはずなのに




なのに。

どうして私、こんなにも涙が出そうになるの?


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