南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
『佑麻の隣の席の嶋中が憎かったり、体育でヘマしてんの見て笑ったり、片瀬たちと楽しそうに笑ってんの見たり、休み時間の度に会いに来る佑麻待ってたり、放課後、一緒に帰ったり。』
「……っ、」
一緒だ。
それじゃあ…私と同じだよ、瀬那。
『そう言う毎日が、当たり前じゃなくなる……考えれば考えるほど無理だった。』
「…っ瀬那…、電話だと素直だね…。」
嬉しい。
嬉しい、嬉しい、嬉しい。
電話越しで、良かった。
強がり言えるもん、嬉しくて泣いてるなんて、知られたら笑われちゃうね。
やっと見えた自宅。
繋がる、瀬那との電話。
『電話だと…?』
「うん、電話だと…いつもより「なら、もう一つ。直接 素直になってやろっか。」
「え、わっ…!?」
──────ギュッ
不意に後ろから腕を引っ張られて、
引き寄せられて…私のお腹の前に腕が回って強く抱きしめられる。
この温もり。この匂い……知ってる。