南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「今だって、俺と付き合ってること知ってて寄ってくるやつがいるし。(嶋中とか。)」
「そ、そんな人…いたっけ…?」
「…いる。なのに、大学離れたら俺のだってこと知らねぇヤツらがうじゃうじゃいて、佑麻はバカだから、それに気付かずヘラヘラすんでしょ?」
「バカ…だから、ヘラヘラ……」
それって、なかなかの暴言?
いや、もう、私がもしかしていじめられてる?
「離れたら絶対、色んな意味で俺の方がヤキモキさせられるんだよ。」
「……ん…?あの、"ヤキモキ"="ヤキモチ"?違う?……あの、バカでごめん、なさい。」
「イライラするってこと。」
「え?!イライラ…??…なんで…」
「こんだけ素直に言ったんだから分かれよ。」
暗くても分かるくらい、ほんのり赤く染まった瀬那の耳。
あれ…もしかして、瀬那って私のこと大好きなんじゃないの?と、瀬那の言葉を脳内で繰り返す。
「瀬那って……私のこと大好きなの?」
「は?」
あ、やばい!!!
つい心の声が…口に出てしまった。
「ち、違っ!あの…心の声が漏れて…!」
「……はぁ。」
「あの、結論としましては…瀬那も私と離れたくないから一緒にすみれが丘大学に行ってくれるって事でいいんでしょうか…?」
「……ムカつく。」
「ひぇ???」
あっれ??
違ったの?今の表現…どこか間違えたの?
な、なに!なにがムカつく??
じとっ、と私を見つめる瀬那の顔は余裕たっぷりで、特別 怒りを感じる表情でもない。