南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「俺ばっかり…」
「え?」
「……俺ばっかり、佑麻と離れたくないみたいでムカつく。お前は俺がいなくても平気?」
─────ドキッ
軽く腕を引かれ、瀬那との距離が縮まる。
私を見る瀬那の瞳が、やけに色っぽくて…切なげで…もう吸い込まれそうになる。
……それに、瀬那は分かってない。
「離れたくないに決まってるじゃん。瀬那がいなくて平気なわけないじゃん。……でも、瀬那がもし私のせいで将来を捨てる事になるかもしれないって思ったら…そんなの耐えられなかった。大丈夫だよって、笑って背中押さなきゃって…、」
離れたって、私が追いかけてたらいいって。
私が瀬那を見失わなければいいって。
そう、思ったんだよ。
「でも、やっぱり……出来ることならずっとずーっと一緒がいいし。瀬那が…私と一緒にすみれが丘大学を受けてくれるなら死ぬ気で勉強する!!絶対 一緒に通えるように…私、」
「あー…ほんと、無理。
何なの、なんでそんな…可愛いの。」
「え…、っ!」
瀬那の顔が近づいて、私の頭を瀬那の手が軽く包む。そのまま引き寄せられ、胸のドキドキは加速する。
「もう黙ってろ。」
「っ…ん!」
静かに重なった唇。
離れては、また塞がれて…どんどん乱れる呼吸。